どうしてやってほしくないことばかりするの(怒)!
と子どもの行動にイライラしてしまう時、ついつい「コラ!」とか、「やめなさい!」と叱っていませんか?
いくら名前を呼びかけても子どもには届いていないことって結構あるんです。
それは、大前提として子どもにブレーキは付いていないから。
2歳の我が息子も、見事にアクセルしか持ち合わせていません。
けれど、して欲しくないことはやめてほしいし、しつけとして言い聞かせていかなければならないこともたくさん。
そこで大切なのが“伝え方”です。
この記事では、私が子育てセミナーで教わった子どもを叱る時の大切なポイントについてまとめました。
意識することはたった1つ。
ポイントを抑えて少し工夫するだけで意外と子どもに伝わるのでびっくりします。
私が参加したセミナーは、2歳・3歳・4歳・5歳の未就学児を持つ親子を対象にしたもの。
大学付属病院で子どもの心のケアを担当されている臨床心理士の方を講師に、子どもの行動の客観的な理解の仕方を学ぶセミナーで学んだことをまとめています。
子どもが言うことをきかない!どうやって叱る?
下の住人から苦情…家の中でとび跳ねるのをやめさせたい
2歳5ヶ月の息子は走ったり飛び跳ねたり身体を動かすことが大好き。
家の中でも、楽しそうに飛び跳ねます。
しかも“ぴょんぴょん”なんて可愛いもんじゃありません。
全体重をかけて“ドンドン”とジャンプするんです…
つい最近、下の階に住む方から流石に夜は静かにしてくれとお願いされてしまったところでした。
飛び跳ねるだけでなく、おもちゃを床に落としてその音や転がる様子を楽しんだりも…
2歳という幼い年齢では、賃貸だから下の階の人に迷惑がかかるなんて説明しても理解できません。
子どもには伸び伸びと育ってほしいし、大人の都合を押し付けているような気もしますが、下の階の方からしたら困りものです。
こんなとき、今まで私が息子にかけていた言葉はこんな感じ。
「お家の中で飛び跳ねない!」
「ぴょんぴょんしない!」
「やめなさい!」
何度言っても息子が飛び跳ねるのをやめたことは一度もありませんでした。
でも、私が息子にかけた言葉を子ども目線で考えてみると、
「お家の中で飛び跳ねない!」→じゃぁどうすれば?
「ぴょんぴょんしない!」→じゃぁどうすれば?
「やめなさい!」→子どもにブレーキはついていない
子どもには届かない言葉のチョイスをしているんです。
やめろと言われてやめるなんて、まだ地球人2年目の彼には難しいこと。
だって楽しくて楽しくてとび跳ねているんだから…
意識すべきは“動詞”!具体的な行動を伝えてみる
子どもに何か伝える時に大事なのは、「具体的な行動」を意識して言葉にすることです。
実際に私がやってみた声かけはこんな感じ。
息子が部屋の中でドンドンとジャンプしたときに、
そーろっと歩こう?と小さな声で話しかけ、そ〜ろっと♪そ〜ろっと♩そ〜ろっと♩そ〜ろっと♩とママが忍び足で実際に歩いて見せる
意外にもこんな簡単なことで、息子はジャンプをやめて楽しそうにつま先で歩くようになりました。
今のところ、息子がドンドン!とジャンプを始めたら、口に手をあてて“しー!”とするだけで、“しょーとしょぉっと”と忍び足で歩いてくれるようになりました。
もちろん部屋の中ではずっと忍び足というわけではなく、ジャンプを始めた時だけ使う手です。
子どもが言うことをきかない(怒)!叱る時は【マネキンでもできることか】がポイント
走るな!はマネキンでもできること
言葉のチョイスで迷ったときに、【その行動はマネキンでもできることか】を基準に考えると分かりやすいです。
例えば、全く子どもに通じなかった叱り方をもう一度この視点で考えてみると、
「お家の中で飛び跳ねない!」→マネキンでも出来る
「ぴょんぴょんしない!」→マネキンでも出来る
「やめなさい!」(その動きをとめろ、動くな)→マネキンでも出来る
マネキンでも出来ることは、子どもには通じません。
そ〜ろっと歩く、これはマネキンには出来ませんよね。
スーパーで走り回る子どもに「走るな!」と言っても通じませんが、「ママと一緒にカートを押してくれる?」というと得意そうに押してくれて拍子抜けしたこともありました。
何でもイヤイヤ!なイヤイヤ期だと全てうまくいくわけではないけれど、「具体的な行動」「それはマネキンにはできないこと」を意識して伝えることで通じる確率はぐっと上がったように感じます。
子どもが言うことを聞かない!でも例外的な行動ってない?
大人も日々「ギリギリセーフ行動」でバランスをとっている
私たち大人にも日常生活の中で苦手なこと、自分の行動に対して困っていることってありますよね。
大人だから誰かに叱られることがないだけで、お菓子を食べすぎてしまうとか、毎日イライラしてしまうとか日常生活には自分の苦手なことってたくさんあります。
でも大人は困っていることを抱えながらも『対処行動』を自然ととっているもの。
例えば、子育てにイライラしていると感じたら、
・子どもを預けてほんの数時間でも一人時間をつくってみる
・イライラがおさまるまでトイレにこもる
・今日の育児は疲れすぎたから夕飯はマック!と割り切る
などイライラを抑えようとバランスを自然ととっているはず。
困って悩みながらも、意外と工夫して頑張っているんです。
これが「ギリギリセーフ行動」
そして子どもの困った行動にも、場所や環境が違うと困らない例外的なエピソードがあったりします。
子どもの「ギリギリセーフ行動」の見つけ方
子どもの困った行動にも、ギリギリセーフ行動があるんです。
「子どもの困った行動」を観察してみると、365日24時間ずっと困った行動をしているわけではないはず。
いやいや、うちの子毎日飛び跳ねてるぞ…と思いますがよくよく注意して見ていると、子どもが家の中で飛び跳ねるときは決まってママが何かしていて一人の時。
特に夕飯を作っているときなんです。
・こどもチャレンジのDVDを流すと飛び跳ねることを忘れて集中してみていられる
・ママがお料理中、キッチンへのゲートを解放してママのそばに来れるようにすると比較的足元で大人しく待てる
状況が変われば、家の中でとび跳ねない例外的な行動がありました。
スーパーで走り回るという困った行動も、「パパに抱っこされていれば一緒に買い物できる」という例外的な行動を発見。
子どもは大人のように自然と対処行動をとることはできません。
でも、困らない例外的なエピソードや一歩手前の惜しいところまでできていたりすることがあるんです。
ギリギリセーフ行動が見つかれば、それは子どもが頑張っているところとして認めてあげることが大事。
とイライラする前にじっっくりと子どもを観察してみると、困った行動の裏に子どもの頑張りが隠れていることがわかります。
私はセミナーでギリギリセーフ行動の視点を教わってから、子どもに求めすぎることがなくなりました。
※発達段階や障害の状況によって現時点ではギリギリセーフ行動が無い場合も。その場合はギリギリセーフ行動がないという確認をしておくことが大事。
【まとめ】子どもがいうことを聞かない!とイラついたら試してほしい伝え方
大事なポイントはたった1つ!
子どもを叱るときは
マネキンにできることか?を基準に具体的な行動を示す
部屋の中で飛び跳ねる子どもに対して、
やめなさい!
お家の中で飛び跳ねない!
ぴょんぴょんしない!
→全てマネキンにもできること
そ〜ろっと歩こう?(一緒に忍足で歩く姿を見せる)
→「歩く」という行動はマネキンにはできないこと
スーパーで走り回る子どもに対して、
やめなさい!
走るな!
→すべてマネキンにもできること
ママと一緒にカート押して?
→「カートを押す」という行動はマネキンにはできないこと
そして、子どもの困った行動には、ギリギリセーフ行動が隠れていないか観察してみるのも1つの手。
場所や状況が違うと出来ること、注意しなくても済むことがあればそれは子ども自身が頑張っている証拠です。
子どもの苦手なこと、出来ないこと、困ったことの中にも成長過程が隠れていて褒めるチャンスがあるかもしれません。
言うことを聞かない子どもにお困りのパパやママ、ぜひ試してみてくださいね!
我が家ではトイレトレーニングや言葉の発達など、2歳から始めたこどもちゃれんじが大活躍▼